メルブラ選手権・西ブロック決勝戦・戦いの系譜

10月2日 福岡県筑紫郡にある「不思議博物館」にて
ハイドラGPメルブラ選手権2011西ブロック決勝大会が開催された。
「不思議博物館」の名物巨大クマムシが、大会優勝旗を掲げ、
カウンターに設置された対戦の場が異空間を演出する。

12時の開催をまたずして、西ブロック決勝大会の参加者が続々と集結する。
地元の九州沖縄エリアからは、「しっきー」選手、「時雨亜沙」選手、「弁財天縁」選手がエリア代表として参加。
九州といってもエリアは広く、決して全員が近場の人間と言うわけではない。
まして、中国四国エリア代表の「ななし」選手と「青白@つゆだく牛丼」選手の2人が
はるばる福岡の地にまで遠征してきた事に、この大会にかける意気込みを感じた。
勿論、参加するのはエリア代表選手だけではない。たった1名の参加枠を
かけて争う事になる当日参加選手も10名が参加。
曇り空で九州とはいえ肌寒ささえ感じる日和の中、大会会場は熱くなっていく。

12時よりMBAACC Ver1.07のフリープレイが開始された。
本州以外でのお披露目は初めて。参加者は自身の使用キャラの
変更点や、新キャラ「真祖アルクェイド」の性能などを確かめていた。

そして、13時に当日枠予選大会が開始される。
厳正な抽選の元にトーナメントが組まれ、序盤から最有力候補プレイヤー同士が
激突するなど、非常にハイレベルな戦いが繰り広げられる。
激戦の末、決勝戦への参加権を掴み取ったのは、シオンを操り4戦を勝ち抜いた「チェスト」選手。

これで、決勝を戦う6名の選手が出揃った。

「ななし」選手(リーズ) [中国四国エリア]
「青白@つゆだく牛丼」選手(ネコ&メカヒスイ) [中国四国エリア]
「しっきー」選手(志貴) [九州沖縄エリア]
「時雨亜沙」選手(翡翠) [九州沖縄エリア]
「弁財天緑」選手(紅摩) [九州沖縄エリア]
「チェスト」選手(シオン) [当日予選枠]

14時丁度、チェアマンのエコール社長真鍋より決勝戦開始が宣言される。
西ブロックの決勝は東ブロック、中ブロックと違い、決勝進出者全員による
総当たり戦にて上位2名を選出し、最後にその2名による直接対決で優勝者を
決定する、ある意味で運や相性を言い訳に出来ないより厳しい戦いとなる。
だが、やはり相性と言う物も存在するのか、ストレートで勝負をあっという間に
決めてしまう組み合わせ、パーフェクトでラウンドを決する場面すらあるかと思えば
一進一退の攻防の末、1ラウンドづつ取った末の時間切れの判定勝ちなどもある。
これが総当たり戦の醍醐味である。

一人当たり5戦、全15試合を戦い、最終戦へとコマを進めることになったのは
4勝1敗、合計で9ラウンドを勝利した、翡翠を操る「時雨亜沙」選手と、
同じく4勝1敗、合計で8ラウンドを勝利した遠野志貴を操る「しっきー」選手に決まった。
総当たり戦では時雨亜沙選手がしっきー選手をストレートで下しており、時雨亜沙選手優勢の気配がある。
優勝決定戦のアナウンスと共に席に着く2人。
遂に、2011年ハイドラGPメルブラ選手権の最後を飾る試合が開始された。

1ラウンド目、先手を取ったのは時雨亜沙選手の翡翠。だが、攻撃は単発で終わりダメージは僅か。
そして反撃に転じたしっきー選手の志貴の攻撃は激しかった。
一瞬の隙を突いて怒涛のコンボを決め、一気に翡翠の体力を奪っていく。
合間を縫って反撃を試みる時雨亜沙選手だが、どうしてもコンボに繋げることが出来ない。
時雨亜沙選手は苦しい流れを断ち切ることが出来ず、まずはしっきー選手が快勝する。
続く2ラウンド、今度も先手を取ったのは時雨亜沙選手、しかし、今回も単発に終わり
しっきー選手のコンボが決まってしまう。同じ流れかと思われたが今度は時雨亜沙選手が
体勢を立て直し、キッチリとコンボを決めて、体力を五分まで持っていく。
息詰まる攻防、お互いがお互いの隙を狙い、一瞬の隙を突かれた方が負けると言う極限の空気。
そして、その場を制したのは、しっきー選手だった。

総当たり戦ではストレートで土を付けられた時雨亜沙選手を、優勝決定戦でストレートで
下すというリベンジをやってのけ、しっきー選手がみごと西ブロック優勝者となった。
この本番での強さこそが、彼の強さでは、と感じる試合だった。

この試合の模様は12月発売のカーニバルファンタズム3DVDに
特典映像として収録される予定である。

15時過ぎ、西ブロック表彰式が行われ、拍手と声援の中、優勝者しっきー選手に
西ブロック大会優勝旗が贈られた。

決勝戦の後は再びMBAACC Ver1.07が稼動し、戦いを終えた選手たちが親睦を深めていた。
巨大クリムゾンに挑む者、不思議博物館自慢のクマムシケーキを突き合う者、勿論、MBAACCで
勝負に明け暮れる者。
決勝を戦った選手たちが、不思議博物館で思い思いに穏やかな時間を過ごしている光景が印象的だった。

西ブロックGP戦のために素晴らしい空間を提供してくれた、不思議博物館の角館長。

彼のおかげで大会は大成功に終わった。
何度足を運んでも不思議な気分で楽しめる博物館は、選手たちにも、きっと良い思い出となっただろう。

こうして、ハイドラGPメルブラ選手権西ブロック決勝は幕を閉じた。